OLYMPUS(オリンパス)35DC|使い方や作例を徹底レビュー!中古で安く買う方法とは?

オリンパス35DCのサムネイル

洗練されたデザインと確かな使い勝手から一世を風靡した「オリンパス35DC」。発売から50年以上経過した現在でも根強い人気を誇っています。

今回は、初めてのフィルムカメラとして、このオリンパス35DCを購入してみたので、使い方や作例を紹介しながらレビューしていきたいと思います。

目次

オリンパス35DCの特徴

自動露出のコンパクトフィルムカメラ

オリンパス35DCの特徴①:自動露出のコンパクトフィルムカメラ
初心者でも失敗が少ないプログラムAEのカメラ

オリンパス35DCは、1971年(昭和46年)に旧オリンパス光学工業株式会社から発売された、レンジファインダー式のコンパクトフィルムカメラです。

フォーカスやフィルムの巻き取りなどは手動ですが、露出はカメラが設定してくれるため、初めてのフィルムカメラにもおすすめできます。

F.ZUIKO 40mm/F1.7の大口径レンズ

オリンパス35DCの特徴②:F.ZUIKO 40mm/F1.7の大口径レンズ
ボディ本体はコンパクトでもレンズは大口径

オリンパス35DCの最大の特徴といえば、当時のカメラとしては珍しい大口径レンズの「F.ZUIKO 40mm/F1.7」を搭載したことでしょう。

コンパクトフィルムカメラでありながら、しっかりと光量の確保できる場所であれば、大口径ならではの背景ボケを生かした写真撮影も可能です。

レトロな外観と洗練されたデザイン

オリンパス35DCの特徴③:レトロな外観と洗練されたデザイン
レトロという言葉がよく似合う可愛らしい外観

オリンパス35DCは、当時のモダンなスタイルを反映して開発されたこともあり、古めかしさのなかにも新しさを感じさせるデザインとなっています。

レトロなデザインが注目される昨今、ますます人気が高まっているカメラで、レンズ周辺に施されたシルバーリングにもオリンパスらしさを感じます。

オリンパス35DCのスペック

製品名オリンパス(OLYMPUS)35DC
発売年1971年4月
販売価格28,800円
サイズ114×71×57mm
重量約490g
フィルター径49mm
電池MR9(H-D)水銀電池1.35V
搭載レンズF.ZUIKO 40mm/F1.7(4群6枚)
最短撮影距離0.85m
型式レンジファインダーカメラ
フィルム35ミリフィルム
シャッターSEIKOプログラムシャッター
フォーカスマニュアルフォーカス
ファインダー採光式ブライトフレーム
露出制御プログラムEE
ピント調整ヘリコイド直進式
フィルム巻き上げレバー式
フィルム巻き戻しクランク式

オリンパス35DCの大きさ

オリンパス35DCの本体の大きさ(本体サイズ)は「114×71×57mm」です。

一般的なスマートフォンよりも少し大きい程度のサイズ感となっているため、現代のデジカメと比較しても、小さい部類のカメラといえるでしょう。

オリンパス35DCの重さ

オリンパス35DCの本体の重さ(本体重量)は「約490g」です。

自動販売機で買えるペットボトル飲料と同等程度の重量感となっているため、現代のデジカメと比較しても、軽い部類のカメラといえるでしょう。

オリンパス35DCのフィルター径

オリンパス35DCのフィルター径(レンズキャップ径)は「49mm」です。

大口径のレンズでありながらサイズ自体は小さく設計されているため、フィルターを購入する場合には、サイズのミスがないように注意しましょう。

オリンパス35DCの使い方

1.電池を入れる

カメラ底面にある電池ボックスにアクセスして、本体に電池を入れます。

純正の水銀電池(MR9/H-D)は、現在国内では販売されていないため、代替用の電池と変換用のアダプターをネットで購入しておきましょう。

2.フィルムを入れる

カメラ底面に見える金属のツメを引き下げ、裏面からフィルムを入れます。

この開閉ギミックが少し特殊で、一般的なフィルムカメラに多く見られる、巻き取りレバーを引き上げる構造ではないため注意しましょう。

3.フィルムを巻く

巻き取り軸の溝にフィルムを差し込み、巻き上げレバーを回して巻き上げます。

フィルムを巻き上げたら、巻き戻しクランクを時計回りに軽く回転させ、フィルムのたるみを除去してから裏蓋を閉めるようにしましょう。

4.フィルムを送る

フィルムの先端は感光して使えないため、シャッターを何度か押してフィルムを送ります。

このカメラは暗い場所だとシャッターを切ることができないため、ファインダー横の赤いボタンを押しながらシャッターを切りましょう。

5.感度を設定する

ピントリング先端にあるギザギザを回し、使用するフィルムのISOにASA感度を合わせます。

感度の設定リングはレンズ手前の少し回しにくい位置にあるため、あらかじめピントリングを赤い矢印の0.85に合わせておきましょう。

6.ピントを合わせる

ファインダーを覗き、合掌させたい対象を中心の白い枠内に捉え、二重の像を一致させます。

ピント合わせが面倒なときや早く撮りたいときには、ピントリングを赤い矢印の3に合わせることで、無限遠で撮影することができます。

7.シャッターを押す

ひととおりの準備が完了したあとは、いよいよシャッターを押して撮影に移りましょう。

このカメラは暗い場所ではシャッターを押すことができません。ファインダーの針が赤いゾーンを指したときは露出が足りない合図です。

8.フィルムを取り外す

フィルムを撮り終えると巻き上げレバーが固定されるので、フィルムの取り外しに移ります。

カメラ底面にある黒いボタンを押し、巻き戻しクランクを時計回りに回します。手応えがなくなったら巻き上げが完了した合図です。

説明書のダウンロード

オリンパスの公式サイトではありませんが、有志のユーザーが説明書を公開してくれています。必要な場合はダウンロードしておくと良いでしょう。

オリンパス35DCの作例

明所(日中や屋外)の作例

※この素晴らしい作例の数々は全てFlickrより引用しています。

暗所(夜間や室内)の作例

※この素晴らしい作例の数々は全てFlickrより引用しています。

オリンパス35DCの良いところ

オリンパス35DCの良いところ

  • 女性でも気軽に持ち運びできる
  • 初心者でも写真の失敗が少ない
  • 中古価格が手頃で購入しやすい

女性でも気軽に持ち運びできる

オリンパス35DCは軽量かつコンパクトな設計が魅力のカメラです。小柄な女性でも、持ち運びによるストレスを感じさせないカメラといえます。

本格的な一眼カメラは、その大きなサイズ感と重量から持ち運ぶ気力が湧かないということも多いため、軽さと小ささは大きな魅力です。

初心者でも写真の失敗が少ない

オリンパス35DCはプログラムAE(自動露出)のコンパクトフィルムカメラです。フィルムカメラの初心者でも写真の失敗が少ないカメラといえます。

フォーカスさえ合わせてしまえば、露出の設定はカメラが自動で行ってくれるため、白飛びや黒潰れなどによる露出の失敗が少ないカメラです。

中古価格が手頃で購入しやすい

オリンパス35DCは当時としても大変よく売れたカメラです。中古市場での流通量も多いため、価格も手頃で入手しやすいカメラといえます。

ボディやレンズの状態にもよりますが、現在(2023年3月時点)の中古価格の相場は、約5千円〜1万円前後とリーズナブルな価格帯です。

オリンパス35DCの悪いところ

オリンパス35DCの悪いところ

  • フィルムの入れ方にクセがある
  • 暗所ではシャッターが切れない
  • セルフタイマーが故障しやすい

フィルムの入れ方にクセがある

オリンパス35DCは、底面のツメからフィルム室にアクセスする仕様となっており、フィルムの入れ方には若干のクセがあるため、注意が必要です。

一般的なフィルムカメラにある巻き戻しレバーを引き上げるタイプではないため、無理に力を加えたり、引っ張ったりしないように注意しましょう。

暗所ではシャッターが切れない

オリンパス35DCは、露出の足りていない暗所ではシャッターが切れない仕様となっており、光量が確保できない夜間では使いにくい印象があります。

フィルムをセットした直後のフィルム送りの作業などでも、レンズキャップをつけたままではシャッターが切れないため、注意しておきましょう。

セルフタイマーが故障しやすい

オリンパス35DCのジャンク個体のなかでも多く見られる症状が、セルフタイマーが使用できない(タイマーの針が戻らない)というものです。

電池をセットしていない状態でセルフタイマーを起動させてしまうと、タイマーが故障する原因となってしまうため、注意しておきましょう。

オリンパス35DCの購入の注意点

オリンパス35DCの購入時の注意点

  • 電池の有無を確認しておく
  • モルトの状態を確認しておく
  • 前期型か後期型か確認しておく

電池の有無を確認しておく

オリンパス35DCの本体には「過去に販売が終了した水銀電池(MR9/H-D)」が使用されています。

カメラ本体に電池が入っていない場合、代替用の電池と変換用のアダプターが必須となるため、ネットやカメラ店から購入しておきましょう。

モルトの状態を確認しておく

オリンパス35DCの裏蓋には「モルト(外部からの光を遮るスポンジ)」が貼り付けられています。

フィルムカメラを購入する場合、モルトの劣化により光漏れが発生している個体も多いため、あらかじめ交換しておくことをおすすめします。

前期型か後期型か確認しておく

オリンパス35DCの中古市場には「前期型と後期型の主に2種類のモデル」が混在しています。

使い方に大きな違いはありませんが、各種ボタンの位置やBLCの有無など若干の違いがあるため、ボディの種類は事前に確認しておきましょう。

オリンパス35シリーズの歴史

オリンパス35シリーズとは、オリンパスが販売する35mmコンパクトフィルムカメラの総称です。

とくに、1960年代後半〜1970年代前半にかけて発売されたモデルは、コニカC35の影響を受けて開発された背景もあり、現在でも人気を集めています。

オリンパス35SP:1969年発売

オリンパス35SPの本体画像
オリンパス35SP(オリンパス公式サイトから引用)

オリンパス35SPは、1969年(昭和44年)に発売された35mmコンパクトカメラで、末尾の「SP」は「スポット測光」の頭文字を取っています。

レンズシャッター機として開発された本機は、スポット測光と平均測光を初めて搭載したカメラであり、シリーズ全体に大きな影響を与えています。

オリンパス35EC:1969年発売

オリンパス35ECの本体画像
オリンパス35EC(オリンパス公式サイトから引用)

オリンパス35ECは、1969年(昭和44年)に発売された35mmコンパクトカメラです。末尾のECから「エレコン」という愛称でも親しまれています。

最大4秒という長時間露光を可能にする、セイコープログラムシャッターの搭載に加え、外付けストロボによる自動フラッシュ機構も装備しています。

オリンパス35RC:1970年発売

オリンパス35RCの本体画像
オリンパス35RC(オリンパス公式サイトから引用)

オリンパス35RCは、1970年(昭和45年)に発売された35mmコンパクトカメラです。末尾のRCから「リチャード」という愛称でも親しまれています。

マニュアル操作によるF値の変更に加え、オリンパスペンと同等のサイズ感を実現させたということもあり、サブカメラとしても人気を集めています。

オリンパス35DC:1971年発売

オリンパス35DCの本体画像
オリンパス35DC(オリンパス公式サイトから引用)

オリンパス35DCは、1971年(昭和46年)に発売された35mmコンパクトカメラです。末尾のDCは「デラックスなコンパクトカメラ」の略だそうです。

暗い被写体から明るい被写体まで、どんなシーンでも簡単撮影を実現するプログラムAEを搭載したことで、シリーズ屈指の人気を誇っています。

オリンパス35ED:1974年発売

オリンパス35EDの本体画像
オリンパス35ED(オリンパス公式サイトから引用)

オリンパス35EDは、1974年(昭和49年)に発売された35mmコンパクトカメラです。35DCと35ECRのハイブリット機種として開発が進められました。

オリンパス35DCをベースにした本機ですが、ボディには電子シャッター(セイコーESF)が採用されており、当時としては最新鋭のカメラでした。

オリンパス35DCの中古価格の相場

オリンパス35DCの現在(2023年3月時点)の中古価格の相場は「5千円〜1万円」前後です。

大口径のレンズを搭載していながらも、リーズナブルな価格帯で購入することができます。

状態の良い個体:約10,000円〜

オリンパス35DCの中古のなかでも、状態の良い個体は「約1万円」前後で購入することができます。

状態の悪い個体:約5,000円〜

オリンパス35DCの中古のなかでも、状態の悪い個体は「約5千円」前後で購入することができます。

オリンパス35DCを中古で安く買う方法

現存するフィルムカメラは全て中古での販売となるため、まずは価格比較サイトで中古価格の相場を確認しておくことをおすすめします。

価格の比較には、複数サイトの相場を一括でチェックできるオークファンプライスランクを使うことで、比較をスムーズに進められるでしょう。

ECサイトで購入する

ECサイトでは、全国各地のショップが自分たちの商品を掲載しているため、欲しいタイミングで欲しい商品を手に入れることができます。

フリマアプリとは異なり、商品到着後の数週間から数ヶ月間で保証が効く場合も多いため、初期不良や動作不良などでも返品することが可能です。

フリマアプリで購入する

フリマアプリでは、個人から直接購入することができるため、ネットショップや中古カメラ店よりも安く購入できる点がメリットです。

デメリットとしては、商品到着後の返品ができないケースがほとんどなため、商品説明やコメントなどから商品の状態を見極めることが大切です。

中古カメラ店で購入する

中古カメラ店では、カメラに精通したプロが整備してから販売しているケースが多いため、安心してカメラを購入できる点がメリットです。

デメリットとしては、実店舗の維持費や従業員の人件費などがあるため、少しでも安く購入したい場合にはECサイトやフリマアプリがおすすめです。

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